高速道路をスムーズに通過することができる上、大幅な割引まで享受することができるETCカード。
便宜性と節約効果を備えているのは非常にありがたいですね。
そんなETCカードですが、登録やセットアップなど、「どうやって使えばいいの?」となるほど、使い方がわからない方も多くいます。
確かにETCカードで割引は受けたいけれど、登録の仕方がよくわからなくて二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、
- ETCカードの基本的な使い方
- 登録からセットアップ方法
- ETCを利用して有料道路に乗る際の注意点
などをわかりやすく解説していきます。
高速道路を普段使いしているにもかかわらず、ETCカードを活用できていない方にとっては、見逃し厳禁の情報ですよ。
基本的なETCカードの使い方|登録~セットアップまで
ETCカードは、カードさえ発行すればすぐに利用できるものではありません。
高速道路において正しく割引を享受するには、以下のような手続きを済ませておく必要があるのです。
- ETC車載器の取り付けおよびセットアップ(必須)
- ETCマイレージサービスへの登録
- ETC利用紹介サービスへの登録
ETC車載器の取り付けおよびセットアップについては、必須事項となっています。
ETCによってさらなる割引や便宜性をプラスしたい方であれば、ETCマイレージサービスやETC利用紹介サービスなども含め、登録手続きをまとめて済ませておくと良いでしょう。
ETCによってどれだけ割引がされるのかについては『めっちゃお得!ETCカードの割引料金はいくら?平日朝夕や土日の割引額を解説!』の記事にて詳しく解説していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
まずはETCカードを申込もう!
さて、早速解説に進みたいところなのですがその前に、ETCカードの申し込みについて触れておきましょう。
当然のことではありますが、ETC専用レーンを利用するには、ETCカードを発行しておく必要があります。
ETCカードの種類は大きく分けて、以下の3種類です。
- クレジットカードからの紐付けで発行するETCカード
⇒おすすめのETCカードはこちら - ETC法人カード
- ETCパーソナルカード
ここで、それぞれのカードの特徴を理解しておきましょう。
一般的なクレジットカードからの紐付けで発行するETCカード
最もスタンダードかつコストがかからないのが、クレジットカードからの紐付けによる発行です。
クレジットカードそのものを含め、ETCカードまでを年会費無料で発行できるものが多いため、クレジットカードの発行ができる方であれば、こちらの方法を取るのがおすすめです。
ETCカードの利用に応じてポイントがきちんと付与されるカードを選べば、お得感はひとしおですね。
年会費無料で使えるETCカードが知りたい方は『おすすめETCカードは年会費無料で選ぶ|厳選したおすすめETC・クレジットカードを紹介!』の記事を合わせて参考にしてみてください。
クレジット審査なしがありがたいETCパーソナルカード
ETCパーソナルカードは、最低20,000円のデポジットと1,234円の年会費を支払うことによって、クレジット等の審査なしで発行することができる個人向けのETC専用カードです。
割引条件はクレジットカードからの紐付けで発行するETCカードと同様となります。
クレジットカードの審査に通らなくて困っている方や、そもそもクレジットカードを発行すること自体に抵抗を覚える方にとっては、非常にありがたい一枚と言えますね。
残念ながら、ETCパーソナルカードはネット申し込みから行うことができません。
発行方法は『【個人でも持てる!】ETCパーソナルカードの作り方・発行期間・デポジットを解説!』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
起業間もない法人用!ETC法人カード
ETC法人カードは、出資金や諸々の手数料を支払うことによって、クレジットの審査なしで発行することができる法人(個人事業主含む)向けのETC専用カードです。
平日朝夕の50%割引、休日、深夜の30%割引は適用されるため、スタートアップの企業や、独立して間もない個人事業主の方にとっては、審査なしでETCカードを発行できるのは非常にありがたいのではないでしょうか。
ただし、走行距離の5%を手数料として毎月支払い続ける必要があるため、頻繁に高速道路を活用する会社については、ランニングコストがかなり膨れ上がってしまうことには注意が必要です。
ETC車載器の取り付け・セットアップ
ETCカードが手に入ったら、まずは必須事項であるETC車載器の取り付けおよびセットアップを行っていきます。
ETC車載器の取り付けやセットアップと聞くと、それだけで億劫になってしまう方もいるかもしれませんが、基本的には車載器を購入する店舗で一通りの手続きをしてもらうことができるので、特に心配する必要はありませんよ。
車検証を元にセットアップ申込書に必要事項を記載する
あなた自身が行うべきことは、車検証を元に、セットアップ申込書に必要事項を記載する。ただこれだけでOKです。
あとは車載器を購入した店舗のスタッフが手続きを進めてくれますし、セットアップ申込書も店舗で受け取ることができます。
一連の手続きが完了したら、セットアップ証明書を受け取り、しっかりと保管しておきましょう。
後々、ETCマイレージサービスやETC利用紹介サービスにスムーズに登録する上で、役立つ情報が記載されていますよ。
ETCカードのマイレージサービスへ登録
続いて、ETCカードのマイレージ登録に関して解説を進めていきましょう。そもそも、マイレージ登録は何を目的として行うのでしょうか。
ETCマイレージサービスへの登録によって得られる主なメリットは以下の2点です。
- 平日朝夕割引(最大約50%)を享受することができる
- 利用に応じて、ポイント付与を受けることができる
つまり、ETCマイレージサービスへの登録をすることで、より節約効果を高める上で重要だということですね。
以下の時間帯に高速道路を利用することがある方はぜひ、ETCマイレージサービスへの登録も合わせて行っておきましょう。
- 朝6時〜9時
- 夕方17時〜20時
登録方法はインターネットと郵送の2通り
ETCマイレージサービスへの登録方法は、インターネットと郵送の2通りがあります。
結論から言うと、インターネットからの登録がおすすめです。その理由としては、以下の通り。
- 1週間程度で登録が完了する(郵送の場合はおおよそ2〜3週間程度)
- 申し込み当日から割引を享受できる
登録がスピーディに完了する上、当日から割引が適用されるのは嬉しいですね。特別な事情がない限りは、以下のホームページから登録を進めていくのが良いですよ。
ちなみに、郵送での申し込みを選択する場合の流れは以下の通りです。
- 申込書を入手する
- 申込書に必要事項を記入する
- ETCマイレージサービス事務局宛に送付する
申込書は、高速道路の料金所事務室やサービスエリアで配布されています。
ETCマイレージサービス事務局宛に送付する際の郵送代は自己負担であることには注意が必要です。
ETCマイレージの登録方法を『ETCカードをETCマイレージに登録する方法・手順|有料道路での還元率やお得さは見逃せない!』の記事で更に詳しく解説していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
ETCマイレージサービスへの登録に必要な情報
ETCマイレージサービスに登録する上で必要な情報は以下の通りです。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- ETCカード番号および有効期限
- 車両番号(ナンバープレートの4桁)
- 車載器管理番号(ETC車載器の19桁)
車載器管理番号に関してですが、前述のセットアップ証明書に記載があります。
本来であれば、ETC車載器1台に対して1枚のETCカードの登録が原則ですが、同居している家族のETCカードや、同一事業所の法人カードに限り、最大4枚まで登録することができます。
ただし、複数カード間でのポイントおよび還元額の合算をすることはできません。
登録が正式に完了したら、マイレージIDとパスワードが記載された「ご登録完了のお知らせ」が郵送されてきます。
マイページにおける履歴の確認や、各種手続きの際にはこれらの情報が必要となるため、しっかりと管理しておくように心がけましょう。
車載器によっては登録できない
ETCマイレージサービスへの登録に関し、車載器によっては登録自体ができないことがある点を追記しておきます。
たとえば、以下の理由などで前所有者による登録が残っていると登録ができません。
- ETC車載器を譲り受けた場合
- ETC車載器が搭載された中古車を購入した場合
仮に登録を進めようとしても、「同一車載器管理番号が既に登録されています」というエラーメッセージが表示されてしまいます。
この場合には別途の手続きが必要となるため、ETCマイレージサービス事務局まで問い合わせをしましょう。
- ナビダイヤル:0570-010125
- 携帯電話・PHS・IP電話:045-477-3793
ETCで起きやすいエラーの原因と対処法を『ETCで起きるエラーの種類とは?03や05の主な原因や対処法を解説』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
ETC利用照会サービスにも登録しよう!
次に解説するのは、『ETC利用照会サービス』についてです。ETC利用照会サービスはどういった目的で登録するのでしょうか。
そもそも、ETC利用照会サービスとは、ETC利用時の料金や走行区間などの利用証明書、利用明細をネット上で確認できるサービスのことです。
クレジットカードの明細だと利用料金しか確認できませんが、ETCマイレージサービスへ利用照会サービスだと利用区間等まで確認できるので、ぜひ登録しておきましょう。
クレジットカードの明細書の到着を待つことなく、ネット上でサクッと履歴を把握できるのがメリットですね。
ちなみにCSVやPDFなどのデータで抽出できるだけでなく、プリンターを活用して紙ベースで保存しておくことも可能です。
過去の利用履歴は15ヶ月前まで遡って抽出できる仕様となっているので、15ヶ月分を超えてデータ管理をしたい場合は、こまめにデータを拾っておくと良いでしょう。
ETCの利用料金や履歴を調べる方法については『ETCカードの利用履歴・料金を調べる方法|登録手順も解説』の記事でも詳しく解説しています。
ETC利用照会サービスへの登録の流れ
ETC利用照会サービスは、以下の流れに沿って手続きを進めていきましょう。
- 『ETC利用照会サービス公式ホームページ』にアクセス
- ページ上部にある「新規登録」を選択し、右下にある「次へ」をクリック
- 利用規約に同意し、PCで確認できるメールアドレスを登録して仮登録を完了させる
- 登録したメールアドレスに送付されてくるURLからジャンプし、本登録へ
- 以下の内容を入力していく
・ユーザーID(好きなIDを設定する)
・パスワード(好きなパスワードを設定する)
・ETCカード番号
・上記ETCカードによる利用年月日
・車載器管理番号(セットアップ証明書に記載あり)
・車両番号4桁(ナンバープレートの4桁)
・秘密の質問と答え
ETC利用紹介サービスへの登録に際する注意点
ETC利用紹介サービスのトップページにも注意書きがありますが、まずは以下の内容を把握しておきましょう。
- 過去15ヶ月以内に少なくとも1回(ETCコーポレートカードの場合は過去62日の間に少なくとも1回)、登録するETCカードを利用しての無線通行をしている必要がある
- 車載器が正しくセットアップされている必要がある
- 本登録完了後、明細を確認できるようになるまで、4時間程度の時間が必要
実はこのETC利用紹介サービス、すでにETCを利用した後でないと登録手続きを進めることができません。
したがって、最低1度でもETC専用レーンを通過した上で、登録を行うことになります。その際の利用年月日は控えておくと、後々便利ですよ。
複数回の利用がある場合、いずれか任意の1日分だけでOKです。
ちなみに一度ID登録が済めば、入力したもの以外の車両や車載器を使った走行分についても照会可能となります。
複数の車を乗り分ける場合についても、そのうち一台のものを申告するだけで問題ありません。
登録情報の数値に誤りがあると登録が完了しない
当然のことではありますが、ETC車載器の登録情報の数値に誤りがある場合、登録手続きを完了することができません。
具体的には、以下の各条件を満たしている必要があります。
- ETCカードによる利用年月日の項目で申告した日付に、登録したETCカードでETC無線通行をした記録がある
- その際にカードを挿入していた車載器の管理番号が記入したものと一致している
- 車載器のセットアップ情報に登録されているナンバー(車両番号)も、記入したものと一致している
「じゃあ利用年月日を失念してしまった場合はどうすればいいの?」
そんな疑問をここで抱く方がいるかもしれませんね。利用年月日を忘れてしまった場合に関しては、ETC利用履歴発行プリンターを利用してみてください。こちらは、
- パーキングエリア
- サービスエリア
- オートバックスの一部店舗
などに設置されているプリンターで、ETCカードを読み取らせることで、過去100件までの利用明細を印刷できますよ。
ここまでで、ETCカードの発行からセットアップまですべて完了となります。ここからは、実際にETCレーンを利用する上での注意点について解説していきましょう。
ETCカードを利用すれば現金と比べてどのくらいお得なのかを『めっちゃお得!ETCカードの割引料金はいくら?平日朝夕や土日の割引額を解説!』の記事で詳しく紹介しています。
ETCのレーンは速度を守って通過しよう!
さて、必要な各種登録を終えれば、いよいよETC専用レーンを利用することができます。
ETC専用レーンではいちいち料金所で停車しなくて済むのは気持ちが良いものですが、スピードに乗ったまま侵入するのは推奨されません。
ETCレーンは規定の速度を守って通過する必要があることを忘れてはいけませんよ。
ETCレーン通過時は時速20km以下を遵守
ご存知の方も多いかと思いますが、ETCレーン通過時は時速20km以下で走行するのが基本ルールです。
「ちょっとくらい超過しても問題ないだろう…。」と思っているドライバーの方もいるかもしれませんが、実際に時速20kmを超過することによる、ETC開閉バーとの接触事故が発生しているのも事実です。
時速20km以下に設定されている理由
ETCレーン通過時の速度規定が20km以下とされているのには理由があります。
たとえば、ETCカードの挿入し忘れなどの理由で、ETCカードと道路会社のETC機器との通信が行われなかった場合、ETC開閉バーは開きません。
この場合、ETCレーンに設置している電光表示板に「STOP停車」が表示されるのですが、この際にドライバーが表示を認識した上で、開閉バーの手前で停止できる速度として、20km以下に設定されているのです。
自身の安全を守るのはもちろんのこと、周囲への迷惑となってしまわぬ為にも、ETCレーン通過時の規定速度を今一度、再確認してみてくださいね。
ETCカードの挿入忘れで通過してしまった時の対処法
ETCカードを車載器に挿入しているものと思い込み、そのまま通過してしまうということも場合によってはあるかもしれません。
そのような時には、どうすれば良いのでしょうか。
ここでは、
「ETCカードを挿入し忘れた状態で通過してしまった。」
「誤って一般レーンを通行してしまった。」
などによって、通行料金が未払い状態になってしまった際の対処法をシェアしていきたいと思います。
こちらの『首都高のホームページ』に記載されている内容を参照しながら解説を進めていきますよ。
そのまま目的地へ走行して清算する
ETCレーンで料金が未払いの状態のまま料金所を通過してしまった場合は、ひとまずそのまま目的地まで走行しましょう。
後ほど、以下のいずれかの方法で清算するかたちとなります。
- ETCカードで支払う
- 現金で支払う
なお、未払いのまま連絡をしなかった場合は不正通行として取り扱われ、レーンに設置してある不正通行対策監視カメラ等を活用し、通行料金及び割増金を請求されることがあります。
未払い金に関しては必ず、自己申告をしましょう。
ETCカードで支払う場合の流れ
ETCカードで支払いをする場合は、以下の内容を確認の上、利用した高速道路へ連絡をしましょう。
- 氏名
- 連絡先
- ETCカード番号/有効期限
- 通行日
- 通行した入口および出口それぞれの通過時刻
- 通行した料金所のレーン種別(専用、混合、右から何番目のレーンなど)
- 車両番号、車種、車名、車両の色
なお、出口情報の確認ができなかった場合には、上限料金となってしまう可能性があります。
また、料金所においては、後日の申し出によるETCカードでの支払いはできません。
現金で支払う場合の流れ
現金で支払う場合は、支払い申し出メモに以下の必要事項を記入し、次回の高速道路利用時に、「一般」もしくは「一般/ETCレーン」において支払います。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 車両番号
- 料金所名
- 利用日
- 未払い金額
現金で支払う場合は、一部区間を除き、上限料金を支払う必要があります。
また、未払い分の金額を支払うためだけに高速道路を利用した場合でも、未払い金に加え、再度利用分の通行料金も自己負担となる点は把握しておきましょう。
参考» ETCカードの挿入忘れに要注意!料金所手前で気付いた時と通過してしまった場合の対処法
ETCカードの使い方やセットアップのよくある質問
Q,ETCカードは車載器のみで使えるの?手渡しは?
ETCカードは基本的に車載器に入れて利用します。そうすることで、高速の料金所がスムーズに通行でき、支払いも紐づけされているクレジットカード等であと払いが可能です。もし車載器がなければETCカードを手渡しでも利用可能です。
Q,中古車で購入したETCカードのセットアップ方法は?
中古車を購入した際に、ETCマイレージに登録する場合には再度セットアップが必要になります。その場合には、ETCマイレージサービスへ直接問い合わせしてみましょう。
Q,ETCカードは1枚で複数台使えるの?別々?
ETCカードは1枚持っていれば、複数台、別の車などに利用可能です。車の大きさによって有料道路の金額は変わるのですが、その役割はETCの車載器が行ってくれる為、ETCカード自体はどの車で利用しても問題ありません。
ETCカードの使い方まとめ
ETCカードを利用するには、車載器の取り付けおよびセットアップが必須ですが、車載器を購入した店舗で一連の手続きはしてもらえます。
手続き完了後に受け取るセットアップ証明書は大切に保管しておきましょう。
また、より節約効果や便宜性を高めたい場合には、ETCマイレージサービスやETC利用紹介サービスへの登録も合わせて行うのがおすすめです。
ETC専用レーンを通過する際には、万が一の際に備え、時速20km以下での走行を心がけるようにしてくださいね。